トロワ

トロワ(Troyes)
Troyes

2010 年 Pearl Games から発売。Sebastien Dujardin,Xavier Georges
Alain Orban の合作。ダイスを使う変則ワーカープレイスメント。プレ
イ人数 2 – 4 人。90 – 120 分前後でプレイ可能。言語依存なし。

言語依存は無いのだが、独特のアイコンがかなり分かりづらく解釈に慣
れを要する。また、ルールブックには細かい注意書きも多いので、慣れ
るまでは煩雑に感じるかもしれない。

とりあえずゲームの流れは、以下の通り。
0. 活動カードの公開
1. 収入と給与
2. 労働力の招集
3. イベント
4. アクション
5. ラウンドの終了

一定回数ラウンドをこなし勝利点を最も得たプレイヤーが勝利する。複
雑なタイプのゲームの典型的で、プレイ中に行える選択肢がやたらと多
く、得点を得る方法も様々で最も効率よくゲームを進めたプレイヤーが
勝利する。ちなみに、得点バランスは良いと思えた。

0. 活動カードはゲーム中に使用する特殊効果を発生させるカードを指
す。1. はゲームで使用するお金を得る事が出来る。ただ、配置済みのワ
ーカーに対して費用を払わなければならない。2. は配置済みのワーカー
に対応するダイスを受け取り、振る。これが、自分に与えられたダイス
目となる。3. は全プレイヤーに対して、マイナスの要素をもたらすイベ
ントが発生し、対応を行わなくてはならない。4. は各自で様々なアクシ
ョンを行い、最終的には得点を得る事を目指す。5. は単なるゲーム上の
事務処理である。

メインとなるのは、4. のアクションなのだが、とにかく色々な要素が詰
め込まれていて、細かいルールが多く厄介なゲームだ。特徴的なのは、
毎ラウンドダイスを大量に使用し、アクション (イベントの対処でも使
う) を決定する事と、ダイス目が悪くても様々な使い道が用意されてい
ると言う点だ。また、他のプレイヤーのダイスを購入する事も出来るの
で、自分のダイス目が良くても安心は出来ない。インタラクションも強
く、時に協力し合ったり、妨害しあったりしながらゲームは進行してい
く。

ゲームの目的は勝利点を得る事なのだが、0. で公開される活動カードは
ゲームをプレイするたびに組合せが変わり、ラウンド毎に順番に公開さ
れていくため、非常に見通しの悪いゲームとなっている。ただ、それが
魅力でもあるし、展開の多様性をもたらしている。

勝利点を得るために行える行為は様々ながら、基本的には活動カードを
上手く組み合わせて、カード間ののシナジー効果をより効率的に利用す
る事が求められるゲームだ。カード間のバランスは良いとは言いがたい
ものの、特定のカードが強すぎるために破綻していると言うほどではな
い。カードの組合せの方がゲームに対する影響力は強いので、このカー
ドが最強みたいなところはおそらく無いだろうと思えた。

3. で発生するイベントは、4. でイベントの対処を行っておかなければ、
どんどん増えていく。なので、協力してイベントの対処を行う必要も出
てくるケースもある。また、イベントの対処を行う事でもなんらかの恩
恵を得ることもあるので、対処する側にもそれなりにメリットはある。

ということで考える要素が多いし、自分の手番になるまでに状況がかな
り変わるケースも多いので、長考しやすいゲームだ。ダウンタイムが気
になる人は合わないゲームだとは思う。また、4 人プレイは待ち時間が
長すぎるので、止めておいた方が良い。

アートワークは独特でゴシック調のデザインとなっており、重厚な雰囲
気がある。

ゲームプレイ後の感想戦も楽しめるので、良くできたゲームだと思うが
アクの強いゲームなのでゲーマー向けだろう。3 人プレイがベストとい
う珍しいゲームでもある。個人的には、完成度の高いゲームだと思えた。


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