『悲しき熱帯 I』読了

うーむ、長い道のりだった。全体で2〜3週間ぐらい使ってしまった。

その前に、日本人の書いた前座本(『レヴィ・ストロース 構造(現代思
想の冒険者たち)』)を読んでいたせいもあるか。前座本は、あまり文
章力が高いとは言えず、非常に読みづらかった。いや、著者が賢いの
は分かるのだけど…引用の引用みたいな感じで、上手くまとまってい
ない感じを受けた。自分が頭悪いせいもあってか、途中何が言いたい
のか良く分からない部分も多かったし。ただ、構造主義独特の言い回
しになれる分には良かったかな。書物としては、『はじめての構造主義』
の方が分かりやすくて手堅く纏まっている印象を受けた。エッセンスは
『はじめての構造主義』だけで良いんじゃないかな とも思えてきた。
それだけ良く纏まっている。名著。

さて、『悲しき熱帯 I』であるが、かなり冗長な構成になっていて、本編?
に入るまでが凄い長い。ほぼ自伝みたいな感じになっている。さすが、
本場おフランスの頭脳の結晶が書いただけあって、文章は巧み。巧み
すぎてついていけない部分も多々あったけど、なんとか読み終えた。

初めの冗長な部分はなんの意味があるのかと思ったけど、ブラジルの
部族との文化的、社会的な対比と言う意味とかあるのだろう。改めて
今生きている現代社会の様々な生活様式を記述しておいて、当たり前
だと思っている日常を見直してみる。あとは、著者レヴィ・ストロースが
どれだけ苦労したか的な…

『悲しき熱帯 I』では、カデュヴェオ族の生活や儀式や芸術について触れ
られている。また、最後に小論文のまとめが記載されている。

内容は多岐にわたりすぎてまとめづらいのだけれど、200ページを越え
たあたりから、ペースアップして読むことが出来た。やはり、カデュヴェオ
族の話題になったあたりから本領発揮で、いかに現地の人と溶け込ん
でいったか、装飾方法が伝統的な(一子相伝?)手法で守られていたり、
身分制度の説明と言ったあたりは興味を持って読むことが出来た。さら
に、変わった食文化や儀式(祭事)なども触れられていて、非常に面白
い内容であった。

まだ、構造主義的な議題には入っていないのだけれど、この文化の対
比こそが構造主義的な解釈なのかな とも思ったりもする。

まだ、中継地点ですが、読み切りたいと思う。やっぱり、学識がある人の
書いた本なのであまり平易では無かったが、中身のある本だと思う。


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