いまさらながらプエルトリコの攻略記事を書くことにします。
これを読めば BGA のレートアップ間違いなし.
前置き:
ボードゲーム全般に言えますが、攻略サイトがあまり充実しておらず「ゲーム名 戦略」で調べても国内のサイトでは私が満足するような記事はほとんど見当たりません。このプエルトリコも同じでした。古いゲームですから、長年の知見があるのかと思いきや意外にも深く研究されているサイトは一握りでした。これは後ほど参考 URL で掲載させてもらいます。
戦略概要:
4 人戦についてです。核心を触れます。プエルトリコにおいても一般的な重量級ゲームと考え方は変わりません。最も重要なのは終了までのビジョンを持つことと強い打ち筋を知ることです。そしてそれに従ってゲームを組み立てることです。それをまず記載します。その後に現代流のプエルトリコについても触れます。
まずどの構成でも重要なのは採石場を確保することです。2 枚は必達です。建設に寄せるなら 3 枚必要とすら考えています。次に、ダブロンと勝利点ですが、序盤はダブロンが最も大切です。中盤から終盤にかけて勝利点の比重が高くなります。そのため、序盤はダブロンを増やすことを一番に考えます。
基本的な構成:
次に強い構成ですが、いくつかあります。
1. ギルドホール速攻型 (いわゆる建設型)
2. トウモロコシ + 小倉庫 + 税関型 (いわゆる出荷型)
3. 工場フルコンボ型 (おすすめ)
4. 宿屋(病院)型
次にゲームの軸となる建物を 2 枚記載します。
『工場』と『港』です。どちらも”中盤まで”に手に入れることで、勝利に近づきます。
1. は有名な型で私も詳しくない頃は最強だと思っていました。売却系高額生産施設を早い段階で購入し、商人の売却で安定した資金を調達し誰よりも早く『ギルドホール』を購入し全ての生産系施設を建てきり速攻で終わらせるタイプです。
2. はいわゆる出荷型でこちらも古典的なタイプです。打ち筋が狭くトウモロコシを最低 4 揃える必要があります。出荷による勝利点が 24 点程度は必要だと思います。
3. はハイブリッド型と私は考えています。序盤は捨てて中盤から終盤にかけて一気に強い建物を連打して勝つ方法です。こちらは色々試したので後に記載します。
4. は基本的には 二番手で成立する作戦です。『宿屋』はオワコンかと思われましたが、活用方法はあるようです。基本的には出荷型になりますが、ハイブリッドの亜種でもあります。こちらも多少詳しく書けます。
さて、建設型と出荷型について触れるとします。こちらはわかりやすく古典的なプレイスタイルです。建設型は商人の売却で高額な商品を売却し、建設で強い建物を建設していくスタイルです。一般的には多品種少量生産になります。出荷型はトウモロコシを主体として出荷点を重視します。少品種大量生産です。『小さい倉庫』がよく機能します。しかし、資金繰りが乏しくなるので建設はほぼ捨てます。どちらもうまくハマればもちろん勝てます。しかし、私は片方の選択肢を捨てるともったいないと考えました。
ハイブリッド型:
そこで、ハイブリッド型の考え方を次に書きます。4人でプレイした場合、古典的なプレイヤーが建設型、出荷型を選ぶとすると建設も出荷も同等に選択されることになります。肩寄せした場合は、片方の選択肢を捨てることになるので、実質行動が制限されます。そこで両方にそれなりに対応しようではないかと考えたのがハイブリッド型です。斬新な手法ではないのですが、安定性は高いです。
ハイブリッド型の捨てる選択肢は何かというと序盤です。序盤は採石場を最速で最低 2 確保。基本は 3 確保することを狙います。そのため、生産設備が乏しくなり、序盤の監督での生産行動はほとんど何も行えません。序盤に重要な建物は『建設小屋』と『農地』です。『建設小屋』を一番手建設で取っても問題ありません。その場合は採石場を 3 枚を必ず確保するようにします。『農地』は採石場を確保するとプランテーションの生産力が手薄になるので、それをカバーします。後で構成を考えますので、手に入れるプランテーションは何でも構いません。採石場が 3 枚揃ったら行動を開始します。基本的には『タバコ工場』か『コーヒー工場』を経由し、『工場』を目指します。『工場』が取れなさそうなら『大きい市場』でも良いです。全種類生産出来た場合、『工場』の効果で 5 ダブロン手に入ります。採石場 3 があるので、実質 8 ダブロンとなり、商人で何かを売却できればほぼ 10 ダブロンが手に入ります。幸いなことに全種類生産しているので何かを売却できる可能性が高いです。次に出荷についても全種類生産を行っているので、出荷による勝利点を加算できます。理想的なのは『工場』+『港』+『大建物x2』です。そこで、大建物ですが、『農地』を使っていれば人気のない『公邸(島タイルの数に応じて追加 VP)』を採用できます。そのため、『ギルドホール(生産施設で追加 VP)』が取れなくても加点できます。『ギルドホール』は完成すると 10 勝利点です。『公邸』は 7 勝利点です。あまり大きな差はありません。『港』が通っていれば勝利点の加算分で勝てますし、建物も資金力が高いので追従できます。
ハイブリッド型の柔軟なところは、『工場』を『大きい市場』へ変更して前倒しする作戦に切り替えることも出来ます。また、出荷を重視する傾向にあるなら『港』を先に採用しても問題ありません。構成をあとから考えることができるので、場の流れに合わせて柔軟に対応できます。また、建設に関しては 1 ダブロン確保すれば大概の建物を建てることが出来ます。例えば採石場 3 + 建設特権 -1 + 手持ち 1 ダブロンで『タバコ工場』を入手できます。採石場 3 になぜこだわるかというと、ゲームに対して影響力のある建物は採石場で 3 コスト軽減する高額な建物が中心だからです。中盤から後半にかけて、それらの建物を中心に建設していきます。
さて、話を序盤に戻します。序盤はダブロンと勝利点ではダブロンが重要という話をしました。そこで、私が考えるに資金繰り系の建物を序盤重視します。と言っても、『小さい市場』は重要度は低いです。お金でお金を生むことが大切です。以下簡単にまとめます。
『小さい市場』三番手トウモロコシプレイヤー専用と考えます。なぜなら商品を売却しないと機能せず効果がスケールアウトしないからです。例えば一番手で確保した場合、『小インディゴ』がないのでしばらく機能しません。それなら、一番手『小インディゴ』のほうが機能する分良いとすら考えています。
『建設小屋』重要です。『小さい市場』1 ダブロンよりは採石場 1 のほうがゲーム全体を通して効果を考えると 6〜8 ダブロン程度採石場が勝っています。しかも、このタイルは採石場を取る枚数を増やすことができるので、効果がスケールアウトします。もっと良いことに、不要になったら人を外して他の仕事に回せます。(『小さい市場』は基本的に外せません)
『商館』たぶん不要です。
『大きい市場』なかなか重要です。まともに購入すると 5 ダブロンですが、採石場を使えば 3 ダブロンまで下げれます。早期に買えば回転率の高さで終盤まで使える重要設備になります。
『工場』採石場を 3 積んでから購入したい建物です。4 種類から 5 種類になると効果がより強くなるので、スケールアウトする所が良いです。
つぎに、高額な商品を売却についてですが、これは少し複雑です。2 件目に『タバコ工場』を生産した場合、他のプレイヤーの出荷で無理やりタバコ商品を手放すことになり、なかなか換金出来ないというような状況が生まれます。そのため、防御用の商品が必要です。一般的に 2 種の防御用商品を揃えます。トウモロコシ+インディゴかトウモロコシ+サトウです。これらを生産することで、出荷を遠回しして高額商品を確保します。
必要なことはだいたい記載しました。最後に構成の概要を記載します。
序盤: 採石場を重視する。『建設小屋』+『農地』コンボも重要。生産は捨てます。
中盤: 採石場の力で『タバコ工場』か『コーヒー工場』を経由して、5 件目に『工場』を建てます。
終盤: 状況により『港』の出荷型(比重的に 8)か『ギルドホール』建て切り速攻(比重的に 2)を狙います。『公邸』も忘れないでください。
上記構成はある程度可変的で、前倒し型や後ろ倒し型もあります。ゲームの状況に合わせて、うまく運用してください。勝利点で言えば総合点 40 点台後半に到達すれば、ゲームの順位はおかしなことにならないと思います。出荷特化は出荷による勝利点 24 点以上必要です。ハイブリッド型や建設型は出荷による勝利点は 10 数点必要です。ハイブリッド型なら『港』が使えるので到達しやすいはずです。ちなみに、ハイブリッド型がぶん回った場合、総合点で 60 点以上叩き出せます。
宿屋(病院)型:
二番手の場合に使える戦略です。1 ラウンド目に『宿屋』を建設し、『宿屋』に人を配置します。2 ラウンド目に開拓者で採石場を労働者付きで取ります。その後はトウモロコシ労働者付きかインディゴ労働者付きで構成し出荷を中心にプレイしていきます。開拓者が自分で取れるなら基本 2 枚まで採石場を採用します。単純出荷型よりは資金繰りにある程度余裕があることと採石場 2 枚確保できれば、『大小インディゴの工場』の確保が可能なので出荷の受けが広くなることが特徴です。
TIPS:
金鉱堀り 1 ダブロン保持するか、建築家 1ダブロン安いは結構意味が違います。1 ダブロン保持のほうが基本強いのですが、1 ダブロン安いは望みの建物が建てれる側面があります。何を書いているのかというと、採石場がある場合 1 ダブロンの建物は無償なので、1 ダブロン保持するほうが将来的に有効ということです。
誰かの 0 ダブロンは見逃してはいけません。建築家をその時打てばその人は 一手遅れます。『ギルドホール』速攻の対策はこれです。
出荷型の対策は、タバコとコーヒーを出荷することです。2 種類ロックできますので、残りはサトウかインディゴで縛ればトウモロコシはしばらく出荷できません。
総督タイルの移り変わりを意識してください。特に自分が次のラウンド総督タイルを持つときはすべての選択肢が選べます。そのため、前ラウンドで重要な仕込みを行うことが大切です。
『大学』は最後の『大建物』建て切りエンドを使う時に使えます。
初手『小インディゴ』は『工場』を目指すなら最速で組める可能性があります。
その他補足的なもの:
一般的にプエルトリコ攻略記事でよく見かける「自分が有利なアクションを選択する」や「相手ができない行動を取る」というものは戦術となり、その場の対応です。また、建物単体の評価もそれほど重要ではないです。全体を通しての購入する建物の計画と組み合わせが大切です。そのため、長期的なプランを持つ場合は、多少の相手の有利があったとしても最終的に強い構成を取れば十分勝つことが出来ます。つまり最終的なビジョンを持っていることのほうが大切です。そのためには強い型を知ることと強い型を作るための手法を知ることのほうがより重要だと思います。
例えば自分が有利なアクションを選択するといったものは各記事で書きつくされており、ほとんどの経験者が知っています。しかし、強い型の構成については古典的な手法しか知られておらず、その方法や構成もやや曖昧です。ですので、強い型をよく研究し最終的に必要な勝利点を確保することが大切です。逆に言えば、パスをしない。つまり相手からみて「出来ない行動がない」状況が作れれば、こちらが有利になります。その出来ない行動をなくすためにカバーしていくスタイルがハイブリッド型なのです。どっちつかずにはなりません。潤沢な資金力で強い建物を連打できるので、後半の爆発力はなかなかのものです。
固定枠の建物があため、逆算して 12 件どういう構成にするか決める必要があります。『小インディゴ』と『小砂糖』は 9 割使います。『工場』型なら『タバコ工場』と『コーヒー工場』もいるので、意外と枠がないです。そのため、『小さい市場』を入れる枠がないのです。
参考画像:
利用した生産施設 :『小インディゴ』『コーヒー』『小サトウ』『大インディゴ』『コーヒー』『大サトウ』
利用した建物 :『小さい市場』『農地』『ギルドホール』『公邸』
一言コメント : 速攻建設型です.『農地』+『公邸』は使用しないことが多いです.
利用した生産施設 :『小インディゴ』『大インディゴ』
利用した建物 :『小さい市場』『港』『税関』
一言コメント : 典型的なトウモロコシ出荷型です.
利用した生産施設 :『タバコ』『小サトウ』『コーヒー』『大インディゴ』
利用した建物 :『建設小屋』『農地』『工場』『港』『ギルドホール』『公邸』
一言コメント : ハイブリッド型です. 大建物は『公邸』+『砦』or『市役所』の形になることが多いでしょう.
利用した生産施設 :『小インディゴ』『コーヒー』『大サトウ』
利用した建物 :『小さい市場』『宿屋』『商館』『港』『砦』『大きな倉庫』
一言コメント : 宿屋+トウモロコシ出荷型です. 採石場が労働者付き使えるのが利点で、建設もできます.
参考 URL:
プエルトリコ/3人戦基本戦略
https://sonia-g.co.jp/boardgame/?%E3%83%97%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B3/%EF%BC%93%E4%BA%BA%E6%88%A6%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%88%A6%E7%95%A5
Midge.jp
http://midge.jp/
Youtube: 5 Ways to Win : Puerto Rico
https://www.youtube.com/watch?v=wvsVNXMoCvM
BGG: The best Puerto Rico strategy + strategy & tactics
https://boardgamegeek.com/thread/13812/the-best-puerto-rico-strategy-plus-strategy-and-ta